「生きた心地がしない…」”狭心症”の悩み
どん底の生活を変えるために選んだ生き方
大分県にお住まいの帆秋辰生さん(70歳)。
30代の頃、締め付けられるような胸の痛みに襲われて病院に駆け込んだところ、”狭心症”と診断された。
頻繁に襲ってくるようになった胸の痛みは、働き盛りだった生活を一変。常に発作の恐怖に怯えながら健康に気を使う日々を過ごしてきた。
しかし今では不安な気持ちもすっかりなくなり、好きな料理を作ったり、趣味に時間を費やしたりと、悩みが消えてとても幸せな毎日を送っているのだという。
どん底の生活をそれほどまでに変えたきっかけとは。
ご本人に当時のお話を伺った。
※2023年3月16日取材
┃働き盛りで健康そのものだった体を襲った胸の痛み
┃働き盛りで健康そのものだった体を
襲った胸の痛み
最初に症状が出始めたのは34歳のときでした。急に胸がグッと締め付けられるように痛みだしたんです。
当時はお酒の卸しの仕事をやっていてあちこち飛び回ってたので、初めのうちは仕事の疲れのせいかな?と思って特に気にしていませんでした。
ところがそのあとも何度も何度も胸の痛みに襲われるようになって…。
3日に1回だったり一週間に1回だったり、起こる頻度はバラバラだったんですけど、短い時は30秒くらい、長い時では1~2分も痛みが続くことがありました。
さらには不整脈も出るようになりました。脈がトントントンと来ていきなりパッと止まる感じがするんです。
さすがにこれはおかしいと思って循環器内科に行きました。
検査の結果、「狭心症」と言われたんです。
もう衝撃でしたよ…。まだ若く、それまで病気とは無縁だったのでまさか自分が…と、とてもショックでしたね。

┃常にニトロが手放せない。生きた心地がしなかった。
┃常にニトロが手放せない。
生きた心地がしなかった。
狭心症の診断を受けてからは、処方された薬を飲みつつ、カテーテルを入れてバルーンで血管を膨らませる治療で発作が起こらないようにしていました。
病院の先生には、生活習慣を改善するように言われましたが、私はタバコも吸わないしお酒も飲みません。日常生活もそこまで不規則にしているつもりはなかったんです。
それでもやっぱり発作は怖いので、しっかり睡眠をとって、食事も野菜や魚など、体にいいものを摂ることを心がけて。
運動するために、自宅でトレーニングできる器具を揃えたり、ボウリングを始めたり。できる限り改善するように心がけました。
狭心症の恐ろしさは、まるで災害と同じでいつ起こるか予測できない点にあります。
発作が起こると、突然わーっと心臓が締め付けられて息もできなくなります。
とにかく苦しくてもう生きた心地がしません。
健康に気をつけた生活と、カテーテル治療で一時は良くなるのですが、半年〜1年後には再狭窄を起こしてしまうんです。
常にニトロが手放せない生活だったので、何をするにも不安で、やりたいこともあきらめがちでした。
